【完】ヒミツの恋を君と。
そんな冷ややかな目は俺だけにじゃなくて、俺を守ってくれてる大切な2人にも及んでた。





この頃から俺は自分の存在感を消す様に生活してきた。

口数を少なくして、目立たないようにして。



でも、どうしても目立ってしまうこの顔は眼鏡を掛けて前髪を伸ばして隠した。





俺は自分を隠すことで、父親と俺は違うんだって自分に言い聞かせてた。

そして血は繋がってなくても俺にとって大切な家族の2人を守りたかった。



そんな俺に気付いた母さんは、俺の頭に手を乗せて言った。





『この顔は晴くんの、晴くんだけのものなのよ。自分のこともっと大切にして』





母さんの言葉に姉さんも笑顔で頷いてて、その温かさに泣きそうになった。


大きくなったら、俺が絶対母さんと、姉さんを守るんだ。




そう思ってた。

そう思ってたのに、母さんは、車で事故を起こして死んでしまった。

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