【完】ヒミツの恋を君と。
この1週間で知ったこと。

それは、晴が食べることをこよなく愛する人間だってこと。

とにかくよく食べる。



そして、食べ物で簡単に釣れること。



あたしの毎朝の日課、それは、早めに登校して晴の秘密の屋上にお邪魔させてもらうことだった。




晴はいつも、まだ誰も来ていないような時間に登校してきて、屋上で朝ごはんを食べている。




詳しくは聞いてないけど、どうやらずいぶん前からそうしているみたい。

あたしもこの1週間はここで朝ごはんを食べている。




晴の第一印象は決して良くなかったし、1週間経った今でもその印象ははっきりいって変わっていない。




基本、口が悪くて、傍若無人

(傍若無人《ぼうじゃくぶじん》=他人のことなどまるで気にかけず、自分勝手に振る舞うこと)

まさに晴にぴったりな言葉。




晴と特別何を話すわけでもないし、何かを一緒にするわけでもないし、低血圧なのか晴は食べ終わったら寝る日がほとんど。




でも、SHRの予鈴が鳴るまでの時間一緒の空間にいる。

この朝の時間はあたしにとって意外と心地良かったりする。




晴は目の前でカツサンドを頬張っている。

それにしてもおいしそうに食べるよね…って、微笑ましく見てる場合じゃなかった。


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