【完】ヒミツの恋を君と。
「俺、そろそろ帰るわ。今日はありがとうな」





ケーキを食べ終わった後、そう言った晴。

時計を見ると、8時を示していた。





「……」





晴の声に、何にも反応できなかったあたし。


立ち上がってスクールバッグを持つ晴を見て、胸がざわついて落ち着かなくなった。


昼間見た、晴が殴られるシーンと祐樹先輩の恨みに歪んだ表情があたしの脳裏によみがえる。





「じゃぁな、戸締りきちんとしろよ」





晴の声が部屋に響く。


玄関に向かうその後姿を見て、押さえられない何かが込み上げてきた。



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