【完】ヒミツの恋を君と。
抱きついてた体を少し離して、目の前にあるその表情を見つめる。


驚いたその目で、あたしを見る晴。





「何、言ってんのお前…バカだろ?」


「あたし、本気だよ」





晴の眼鏡に手を掛けてそっと外す。

ジッとその目を見つめた。


お父さんに似てる自分の顔が嫌いだ。って、そう言った晴。





「あたしの前では、何も隠さなくていい。素の晴でいて」





そう言って、晴の髪に触れた。


次の瞬間、ドサッと、晴の持ってたスクールバッグが床に落ちる音がする。

そのまま晴の手が、あたしの背中に回って、あたしを強く抱きしめた。




崩れ落ちる様に2人床に座り込むと、フローリングの冷えた感触を足に直に感じた。





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