【完】ヒミツの恋を君と。
一瞬何が起こったか分からなくて。



体も思考も固まった。





キス───





分かった瞬間、晴の腕をギュッと掴んでた。


初めてで、キスをどう受け止めたらいいのか分からなかったから。





「…緊張しすぎ、体ガチガチ」





唇が離れて、至近距離で晴がそう呟く。


イジワルな顔で微笑む晴。

あたしの顔に熱が一気に集中してくる。





「桃佳……」





甘い囁きの後、頭の後ろに手が回り、また唇が塞がれた。


何度も角度を変えて触れる優しいキス。





晴の唇にも、きっとあたしの唇にも、まだチョコケーキの甘さが残る。


その甘さがあたしを溶かしていく。



< 289 / 499 >

この作品をシェア

pagetop