【完】ヒミツの恋を君と。
晴…晴……。



緊張が溶けていくと、代わりにあふれ出る愛おしいという感情。


受け止めるのが必死だったあたしの唇が、自ら晴を求め始める。



あたしが求めれば、それに応える様に後頭部を支える晴の手に力が入る。




あぁ、ダメだ……。


どうしたらいいのか分からないほど、愛おしい。



どうしたらいいのか分からないほど、晴が好き──






「俺…お前の傍にいていいの?」


「え……」





唇が離れた刹那。

まだぼんやりした頭に晴の声が聞こえる。





「お前は、怖くねぇのかよ?親父のことも祐樹のことも全部話したのに…」





こんな弱々しい晴を初めて見た。

いつもはえらそうなのに。


祐樹先輩に殴られてる間でも、無表情を貫いてたのに…。



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