【完】ヒミツの恋を君と。
「…それと、バイトは禁止されてます。あなた達の学年からは、それを破ると、退学になる可能性もあります。大丈夫ですね?」
「あ、は、はいっ!」
停学とか退学とか物騒な話しに、ぼんやりしてた頭が一気に現実に引き戻される。
「あれー?珍しいですね?転校生ですか?」
前方から声がして顔を上げると、ジャージ姿の無駄に熱血そうな若い男の先生。
多分体育教師。
「彼女は隣の県の高校に通ってたんですが、親御さんが海外転勤になったので、この春からここの近くに住んでる親戚の家で暮らすことになったそうなんです」
真木先生の話しに笑顔で相槌をうちながらも、あたしは内心ハラハラしてた。