【完】ヒミツの恋を君と。
「あ、これも食っていい?」


「……あ、うん…いいよ……って!ダメっそれあたしのクリームパン!」


「チッ、ボーっとしてるからごまかせると思ったのに」


「……ぐっ!」




晴が手に持ってたクリームパンをあたしの口にグイッと押し込むからびっくりした。


目を見開いたままパンをくわえてるあたしを見て、ククッと可笑しそうに笑ってる。

急いでもぐもぐ口を動かしながら思う。




……晴はこういうヤツだよ。




なのに何故か晴のこともっと知りたいって思ってしまう。





「ねぇ晴って、すっごくすごく仲の良い、良すぎるくらいの“男”友達っていないの?」





素敵すぎる質問!あたしGood Job!!




「友達なんているわけないだろ?」


「え?どうして?」


「見て分かるだろ?こういう人間だからだよ」


「えっ?え?こういう人間?」





こういう人間=ボーイズラブ人間!?

カミングアウトなの?


身を乗り出したあたしに、晴は予想外の言葉を口にする。




「俺みたいな変わったヤツには誰も寄ってこねぇよ」




その言葉が、チクッと胸に痛みを与える。

あたしも同じことを思ってた時があったから。





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