【完】ヒミツの恋を君と。
「うるさくしてごめんねーお母さんかも…」





そんな気持ちを隠すように明るくそう言いながら、携帯の画面を見ると、そこには久しぶりな親友の名前が…。





「あっ、春だ…」





目の前の晴の、シャーペンを持つ手がピタッと止まった気がした。





「もしもし?春?久しぶり!」


《吉丘?元気してる?》


「してるしてる!」


《夏休みだし、春華と3人で合わないか?》


「うん!会う!久しぶりだよねっ」





晴の目の前で話してたら、勉強の邪魔だよね。


そう思って、隣の部屋に移動しようと立ち上がったら、晴に腕を掴んで止められた。





「え?」


《どうした?》


「…あ、ううん、何でもない!」





晴はどうしてあたしを引き止めたのか、全然合図を送ってくれないから分からないけど、ここで話せってこと?


あたしはもう一度その場に座って、春と話し出した。


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