【完】ヒミツの恋を君と。
「ねぇ?さっき春から電話掛かって来る前、あたしに何か言いたげだったよね?」





そう言えば……と思い出した。

晴は電話が掛かって来る前、あたしに何かを言おうとしてたよね?

あたしの頬に触れた……よね?



大事な話しだったんじゃないの?


首を傾げてると、晴があたしをチラッと見てから、バツが悪そうな表情をする。




「……いや、なんでもねぇよ」


「……そう?」




晴は、一緒に生活する様になってから、だいぶん自分のことを話してくれる様になった。


あたしの質問に対してもほとんど、言葉は少ないけど答えてはくれる。


でも、たまにこうやって言葉を濁す時があって。





あたしに、まだ心を完全に開いてくれてないのかな?とか思ってしまう。


だから少し寂しくて、わがままな質問してみたくなるの。


< 303 / 499 >

この作品をシェア

pagetop