【完】ヒミツの恋を君と。
大丈夫。

バレない。バレない。


呪文のように心で唱えながら、あたしも立花さんを見据えた。





「へぇ、趣味は覗きだけじゃなかったんだ?」





一瞬意味が分からず固まってしまった。

固まるあたしの耳元で、立花さんが囁いた。





「男装も趣味だったんだ!吉丘さんってホント意外性を秘めてるよねー」


「!?」


「にしても、変身ぶりが素晴らしいよね。2人とも!好きだわーそういうの」


「ふ、2人とも!?」


「河野晴先輩だよね?安心して。誰にも言ったりしないから。私達、友達でしょ?信用して」


「え…友達?」


「うん、友達!違うの?」


「ち、違わない!あ、ありがとう!」




友達って言葉に胸が詰まった。


この間、晴に立花さんのこと友達なんて言っちゃったけど、立花さんもそう思ってくれてる自信なんてなかったから。



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