【完】ヒミツの恋を君と。
* * *




「えっ?お祭り?」


「そう、今日この近所であるんだわ。バイトみんな行くし、塔子も行くけど、モカもいくよな?」


「行く!行きます!!」




いつもは9時閉店のプレシャス。

でも今日は7時に店を閉めだした店長。



何事かと思ったら、バイト全員と立花さんとでお祭りに行きたかったからみたいで。


立花さんが来たのってこのためだったんだね。



お祭りなんていつ以来かな?

小学校以来かも!

しかも家族以外の人と行けるなんて夢見たい。





「モカも行くんだから、ハルも今年は行くよな?」


「……」





閉店後のモップかけをしながら、しぶしぶといった感じで頷いた晴。





「晴はお祭り嫌いなの?」





まぁ、晴は人ごみとか苦手そうだもんね。





「いや、嫌いじゃねぇけど、あれ着ることを強要されるのがイヤなんだよな」





晴の指差す先には、立花さんいて、何枚も重なった浴衣を持っていた。


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