【完】ヒミツの恋を君と。
あたしの行動に驚いたのか、晴があたしを見てるけど、目は合わせずに前を向いて歩く。


自分から手を繋ぎにいくなんて、あたしの性格からは想像も出来ないことをしてる。




でも…、

こんな行動を起こしてしまうほど、あたしは美月先輩の存在を恐れてるんだよ。





あーあ…慣れない事をするから、手が震えてきちゃったじゃない。



そのことに晴が気付きませんように…。


目をにじませてる涙にも晴が気付きませんように…。




バカだなあたし。

最近幸せすぎて、あたしが一番晴の近くにいるって思ってた。


勘違いしちゃダメだって、同居し始めた頃はちゃんと分かってたのに。



分かってたのにな…。




お祭りの光がどんどん遠くなる。

楽しげな音もどんどん遠くなっていく。




手を繋いでいるのに、

こんなに近くにいるのに、



晴との距離がどんどん遠くなっていくように感じるよ…。
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