【完】ヒミツの恋を君と。
* * *




晴の手には、買った水槽と、金魚の飼育セットの入った袋。

そして2人分の着替え。


あたしの手には金魚の入った袋。



塔子達はまだお祭り中だったみたいで、あたし達は浴衣のまま家に帰ってきた。



美月先輩のことをいろいろ考えて、頭がいっぱいだったあたし。


ホームセンターでも、プレシャスに着替えを取りに戻った時も、意識はここにあらずって感じだった。



正直、途中晴と何を話したとか、ホームセンターで何を買ったとか、あんまり覚えていない。



疲れた……。



リビングの奥にある自分の部屋に入って、ベッドに腰掛ける。


着替えもせずにぼやっとしたままで。


手に持っていた袋を高く持ち上げて、金魚をジッと眺めていた。



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