【完】ヒミツの恋を君と。
本と言えば思い出すのは、あの衝撃のBL漫画。

晴の恋愛対象は本当に男なのかな?




初めて屋上に連れてきてもらったあの日、晴が言った言葉を思い出す。




『お前みたいな“反応”が出来る男なんていないよな?』



…………真っ赤になる初々しい彼氏を募集中?

この言葉はそんな風にしか取れないんだけど?







電車が次の駅に到着した。

慌てて顔を上げて晴を見たけど、まだ下りる様子がないなそんな風に思っていたのに。





電車が走り出す直前、晴が席を立った。

え?下りるの??





あれ……。

慌てたけど、違った。




晴が席を立ったのは、今の駅から、おばあさんが乗ってきたから。




おばあさんは晴に頭を下げている。お礼を言っているみたい。

そしてその後、空いたその席に座った。




晴はというと、そのおばあさんのお礼に少し頭を下げてから、扉が閉まった出入り口付近に立った。



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