【完】ヒミツの恋を君と。
「…お前今まで部屋で何してたんだよ?」


「え?何って…?」





美月先輩と祐樹先輩のこと考えてたなんて言えない。





「いつまでそれ着てんの?苦しくねぇの?」


「あ……着替えるの忘れてた」


「……」





晴はもう浴衣を脱いで、Tシャツとスウエット姿になってる。

あたしは未だに浴衣のままだった。




「き、金魚移したら、着替えてくるよ」




そう言って、晴に金魚の袋を渡す。


晴は、その袋ごと買ってきた正方形の金魚の水槽に入れて、水槽の水と袋の中の水を同じ温度にしてから、金魚を水槽に離した。



広い空間に飛び出した2匹の金魚は楽しそうにぐるぐる回って泳いでる。


この光景はちょっと癒される。





「やっぱ、可愛い」





頬を緩めて水槽を間近で眺めてると、晴の視線を感じた。


そちらを向くと、晴があたしを見て優しく笑ってた。





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