【完】ヒミツの恋を君と。
窓の外からザーッと物凄い雨の音がする。




「うわぁ、早めに切り上げてきて良かったね。浴衣濡らさずに済んで良かった…」


「だな」




夏の天気は変わりやすいって本当だね。

さっきまで、星も見えてたのに…。



スコールみたいな雨音を聞きながら、自分の部屋に戻って着替えようとするけど……。


帯がどうなってるのか、外れない。


この部屋に鏡はないし、

…ま、まさか晴には頼めないし、



なんとか必死で帯を触っている内に、解け初めて、




「やった!ほどけた!」




するりと帯が床に落ちていく。

そのまま腰紐(こしひも)も外し、やっと開放感を得ることが出来た時だった。



カーテンの向こうで何かが光った感じがして振り向く。

その瞬間、ドーンという音と共に地響きがした。





「きゃっ!?…え、えっ…!?」





そして、部屋の電気が消えた。


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