【完】ヒミツの恋を君と。
うずめてた顔を上げた。


真っ暗だから見えないけど、

そうすると、あたしの顔のすぐ前に、晴の顔もあるはずで。



晴にもあたしの方を向いて欲しくて、また名前を呼ぶ。




「晴…」



ガサっと音がして、晴が顔をこっちに向ける気配を感じた。



見えないけど、晴の顔はものすごく近くにあるのが分かる。

息使いまで感じられる距離。




「晴」




思わずその頬に手を伸ばした。


頭の片隅で、自分がどれだけ大胆な行動を起こしてるってのかは分かってる。


真っ暗で顔が見えないせいか、どんどん大胆になっていく。



触れたい。

晴に触れたい。



抱きついてしまったことで、もっと温もりを欲してしまったのか、

それとも、今日出会ってしまった美月先輩の不安を、頭の中から消したいのか……、



どっちもかも知れない。



どうしようもなく晴の温もりが欲しい──



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