【完】ヒミツの恋を君と。
* * *


あれから1時間くらい経ってから、晴が家に帰ってきた。


帰って来なかったらどうしようと不安に襲われてたから、晴の「ただいま」って声を聞いた時はものすごくホッとした。





そしてその日以来、あたしも晴もこの時のことには触れなかった。


何事もなかった様に、普通通りに同居生活を送った。



あたしがそうしたのは、お互い気まずくなって晴がこの家にいられなくなったら嫌だから。



でも、あたしの頭の中は、あの時のことを考えない日はなかった。




どうして、晴はあたしにキスしたの?

そして触れたの?



あの時の『ごめん』は何に対してのごめんだった?



ただ流れで、ああなっただけなのかも知れない。

あたしが、晴に触れたくてたまらなかった気持ちが伝わったからかも知れない。



……もしかしたら、

晴は、あの日美月先輩に会ってしまって動揺してたからかもしれない。




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