【完】ヒミツの恋を君と。
「浮かない顔してどうしたの?そんなんじゃ顔面にボールくらうよ?」


「……気をつける」





ボーッとしてたあたしに急に話しかけてきたのは塔子。


あたしが座ってるのは、グラウンドの端。

今は球技大会の真っ最中。


塔子はあたしの隣に座って、グラウンドをぐるっと見渡した。





「ハルさんはどこかで試合してるの?」


「ううん、どこにもいない。多分サボり?」


「あは、ハルさんらしいね」


「……だね」





今、1年から3年まで全校生徒が外にいるはずなのに、観客席にも、試合中のコートにも、体育館にも、晴の姿はどこにもなかった。


朝、屋上で一緒に朝ごはん食べたから校内にはいるはずなんだけどな。



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