【完】ヒミツの恋を君と。

不穏な電話

晴れない気持ちのまま週末がやってきた。



今日は土曜日。

晴と一緒に一日中バイト。



普段なら、ウキウキしてる週末のバイトも、今日はかなりキツイ。



「モカモカ──モカの好きなタイプってどんな男ー?」



今、一番答えたくない質問をした上に、あたしに飛びついて、抱きついてるのはトウヤさんで…。


普段なら身構えるのに、今日は疲れきっててされるがままになっていた。



「ご想像にお任せします…」


「男が好きなのは否定しないんだねー」



ハッと我に返る。


そうだ、あたし今バイト中ってことはモカで、男なんだった!



「やっぱ、モカくんBoys Loveなんだね!」


「……」



時すでに遅し。

お客さんが物言いたげにニコニコしながら目を輝かせてる。



< 392 / 499 >

この作品をシェア

pagetop