【完】ヒミツの恋を君と。
2階に続く階段を上る。




正直に言えば、晴の言葉を聞かずに済んでホッとしてた。


今、晴の口から、美月先輩との話を聞くのは正直辛い。


泣かずに聞く自信なんてこれっぽっちもないから。



だけど、いつまでも逃げ続けるわけにはいかない。


それは分かってるけど…。



家に続く2階の廊下に差し掛かった頃、



ピリリーピリリー



また携帯が着信音を鳴らす。



ポケットから取り出して表示を見て、足を止めてしまった。




春ちゃんじゃない。

数字の羅列ってことは登録していない番号ってことで。

誰?




美月先輩?え、でも、まだ番号教えてないし…。


不思議に思いながらボタンを押して携帯を耳に当てる。





「もしもし?」


《あ、出た出た!こんばんは、桃佳ちゃん!》


「……どちら様ですか?」





知らない声。

男の人の声。


あたしの名前を知ってることが気味悪かった。


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