【完】ヒミツの恋を君と。
実は『親戚の家で暮らす』っていうのは嘘で、本当は1人暮らし。

親に泣きついて、先生には嘘を言ってもらった。





だってこの学校は生徒の1人暮らしなんて絶対許してくれない。



親元を離れてこの高校に通う生徒は、学校の敷地内にある寮に入る。っていう決まりになっている。

しかも2人で相部屋。


そんな生活、あたしには絶対にムリ。



24時間ずっと誰かと関わっていなきゃいけないなんて、あたしには出来そうにない。





「吉丘さん、始業式までまだ時間があるので、学校巡りでもしてきたらどうですか?」


「あ、はい…」





その時、熱血センセの大きな声が耳に届く。





「そうだ!河野(こうの)お前、この子に校内を案内してやれ」




え?誰?


驚いて熱血センセがいる方に目を向けると、今まで気付いてなかったけど、熱血の後ろに、生徒らしき男子が立っていた。
< 4 / 499 >

この作品をシェア

pagetop