【完】ヒミツの恋を君と。
晴は納得したように、駅の方に向かって歩いていった。

ホッと息を吐いてから、あたしは家の中に駆け込む。



この電波の向こう側にいる人には聞きたいことがいっぱいある。


深呼吸をしてから、異様に汗ばんでしまった手で携帯を握り直した。





「な、何の用ですか?…っていうか、なんであたしの携帯番号を?」





美月先輩にはまだ教えていない。

晴にすら…。


それなのに、なんで?




《学校の個人情報管理なんて甘いよね。風邪で休んでる友達に電話したいって先生に言ったら、名簿丸ごと貸してくれるんだもん》


「……」


《吉丘桃佳ちゃん。最近晴の周りでよく見掛ける子だからチェックしとこうと思ってね》


「…何を言ってるのか分かりません」




その口調に、嫌悪感以外何にも感じない。

晴に関わるなって言われてる以上うかつなことは口に出来ない。



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