【完】ヒミツの恋を君と。
「あはは、今頃後悔してる?あーあ、これで晴と俺の前から消えてくれるね。せいせいした!」
本当に終わってしまった。
最初からこの人は、晴じゃなくて、あたしを消したかったんじゃないかな?
晴を痛めつけようとする祐樹先輩を、邪魔する存在だから。
「そうだ、餞別(せんべつ)にひとつ教えてあげようか?晴が君の近くにいた理由」
「結構です!知ってます。美月先輩とあたしが似てるからって言いたいんでしょ?」
どうしよう、泣きそう。
こんなこと言わせて、この人は、まだあたしを痛めつけ足りないのかな?
絶対に泣くもんか……!
「なーんだ、偉そうなこと言っても、桃佳ちゃんは晴のこと何にも知らないんじゃん?」
「…え?」
「じゃあね、あの封筒、月曜日の朝一で学校に着くと思うよ」
祐樹先輩は、そう一言言い残して駅の方に向かって歩いていく。
その後姿を見つめながら、寒さなのか、恐怖なのかわからない震えが体を襲ってきた。