【完】ヒミツの恋を君と。
ねぇ、晴。

想像してたよりも早く別れが来ちゃったみたい。





あたしは、きっと退学になる。

親にも学校から話が行ってしまう。




そしたらきっと、あたしは強制的にドイツに行かなきゃいけなくなる。



もう晴に会えるのは、後1日、月曜日の朝だけ……。





「……っ…」





ジワッと涙が込み上げてくる。

さっきは我慢できたのに、今はもう無理で。




でも、後悔はしてない。




祐樹先輩に従うなんてありえない。



あたしはあたしの正義を貫いたこと、後悔なんかしていない。



家の扉を開いて、フラッと中に入る。

部屋の片隅の水槽、仲良く泳いでる金魚たち。



水槽の前に座り込んだ。




…晴に会いたい。


この部屋で、誰にも邪魔されない時間を、晴ともう一度過ごしたい。



一緒に過ごした日々を思い出して、

悔しくて、寂しくて、辛くて……



涙はちっとも止まってくれなかった。



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