【完】ヒミツの恋を君と。
晴と一緒にいる時、何度もこの感覚を経験してきた。



甘いようで、
切ないようで、

幸せなようで、
苦しいような、



そんなわけのわからない感覚。



屋上の気持ちのいい風があたし達を包む。





「はいこれ、晴の好きなパン買って来たよ。あ、これも、はい、これも好きだったよね?」


「おい、いくつ買ってきたんだよ?」




買ってきた晴の好きそうなパンをいっぱい並べるあたしを見て、晴が不思議そうな顔をする。

あたしは精一杯笑顔を作る。




「6つ買ってきちゃった!」


「なんでそんなに?」




晴に毎朝パンを1つあげ始めた理由は、屋上に来させてもらうためだとか、バイトでよくしてもらうためだとか。


最初はそんな下心たっぷりな理由だった。

そのことを晴には未だに話してないけど。


今日はあんまりたくさん買ってきたから不審がってる。


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