【完】ヒミツの恋を君と。
* * *


「桃佳──っ」


休み時間になった途端にあたしの席にやってきたのは塔子。


今は、4限の前の休み時間。




もうすぐかもしれない。

もうすぐ届くかもしれない。



そんな風に思いながら、この時間を迎えてる。

さすがにもう胃が痛い…。



「ねぇ、なんか今日、桃佳、変じゃない?」


「う、ううん、そんなことないよ?」


「…そう?」



あたしをマジマジ見つめる塔子。

塔子に見つめられるだけで、あたしの心、全部丸裸にされそうで怖い。


塔子には話さなきゃ、明日から学校に来れなくなる理由。



「あのさ、塔子…ごめん、実はあたし……」



放送を知らせるチャイムが鳴り響いたのはその時だった。



「こんな時間に放送かかるなんて珍しいね……」



そんな塔子の呟きに被って聞こえてきたのは担任の声。



「2年2組、吉丘桃佳さん、至急職員室に来て下さい」



クラス中があたしを振り返る。

…とうとう、来るべき時が来てしまった。


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