【完】ヒミツの恋を君と。
ざわつく教室。

校内放送で呼び出されるなんて何事?と、みんな興味深そうにあたしを見てる。





「桃佳?なにか仕出かしたの?」


「…うん、また今晩電話する」


「え?昼休みに話せばいいじゃない?」


「ううん、多分あたしもう教室に戻って来れないと思うから…」


「え?」




バッグに机の荷物を全部詰め込むあたしを見て、塔子は驚いた顔をしてる。

あたしは塔子に「ごめん…」と一言告げてから教室を出て、職員室に向かった。



この2日間覚悟してきたつもりだったけど、やっぱり職員室の扉の前に立ったら手が震えた。



お父さん、お母さんごめんね。


お兄ちゃんとは違って、あたしはこれまでずっと真面目だったから、きっと学校から連絡あったら2人とも慌てふためくと思う。




晴とは…もしかしてもう二度と会えないのかな?



涙が出てしまう前に、あたしは職員室の扉を開いた。





「し、失礼します…」





視線の先には担任の真木先生がいて、封筒を持っている。


真木先生は、晴の担任の熱血センセーこと藤本先生と真剣に何かを話しててあたしが入って来たことに気付いていない。


2人はきっとあたしのことを話してるんだと思う。


でも、なんで藤本先生までいるの?

生活指導の先生だったかな?



近くまで行くと、先生達があたしに気づいた。



< 419 / 499 >

この作品をシェア

pagetop