【完】ヒミツの恋を君と。
先生達に向かってしっかり頭を下げる。

これから、あたしどうなるのかな?



校長先生に報告されて、親に連絡されて、職員会議に掛けられる…とか?



頭を下げたまま、そんなことを考えて、泣きたくなった時、あたしの想像とは全然違う言葉が聞こえてきた。





「吉丘さん、あなたは謝らなくていいのよ?あなたの正しいことを告白してくれたんだから」


「え?」





謝らなくていいって?

先生の言葉に違和感を覚えて顔を上げたその時、職員室の扉が勢いよく開いた。



扉は、叩き付ける様な大きな音と共に開けられた。

それは、職員室にいる先生も生徒もみんなびっくりして振り向くぐらいの大きな音で。


あたしも思わず振り向いて、目を見開いた。



晴…?



そこにはボサボサヘアで黒縁眼鏡の晴が立っていて。

一瞬目が合ったかと思うと、こちらに向かって勢いよく歩いてくる。



晴は、いつも大人しくて、その存在を消してて、決して目立つことはしない。


いつもはのんびりだるそうに歩くのに、今日は荒々しい歩き方で。

焦ってるようにも怒ってるようにも見える。





「失礼します」


「え?」





晴はあたしの横に並んだ。

どうして晴がここに来るの?



晴の存在に気付いた真木先生と藤本先生は、少し驚いた顔をした。



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