【完】ヒミツの恋を君と。
どんな手を使ったのか知らないけど、祐樹先輩はあの時、あたしの写真じゃなくて晴の写真を学校に送った。



それも、差出人をあたしにして、まるであたしが晴を陥(おとしい)れた人物のように見せかけて…。



“晴を裏切る”



それはあたしが死んでもしたくないこと。

そんなことなら退学にされる方がましで。


祐樹先輩はそれをわかってて、わかってたからこそ、こんな手の混んだことをして、“晴を陥れたあたし”をでっち上げたんだ?



立ち尽くすあたしに藤本先生の言葉が聞こえてきた。



「バイトも許されないことだけど、同棲なんてもっと重罪だ…」



初めて聞く“同棲”って言葉にドクンと心臓が跳ねた。


それって、もしかして…?

夏休みの出来事が頭を過ぎる。



藤本先生は報告書と書かれた紙をめくった。


…2枚目がある!



< 424 / 499 >

この作品をシェア

pagetop