【完】ヒミツの恋を君と。
あたしは、あたしは…、


守りたかっただけなのに。

ただ、晴を守りたかっただけなのに。



結局、あたしは祐樹先輩に騙されてしまった。

あんなに拒んだのに、結果、晴を陥れる手伝いをしてしまったんだ。




あたしが、晴の足を引っ張ってしまったんだ。



嫌な汗が背中を伝う。

晴に言わなきゃ。



ごめんなさいって。

あたしのせいでって。



今更こんなこと言ったって仕方ない。


わかってる、わかってるけど──




職員室から廊下に飛び出して、すぐに晴の背中を見つけた。




「……って!」




喉の奥が渇いて、上手く声が出ない。

思いっきり走って、その腕を捕まえた。





「……めん、ごめんなさい。あたし、あたし…」





俯いたまま、必死にそう言葉にしてから晴を見上げた。


ゆっくり振り向いた晴。



その表情が見えて、言葉が出せなくなった。



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