【完】ヒミツの恋を君と。
感情のない冷たい目。



その目は、祐樹先輩に殴られた後に見せた目と同じ目。


その目が、今、あたしに向けられている。


晴の唇が微かに動いて、言葉を落とす。







「……俺に関わるな」




とても低くて、あたしにしか聞こえないくらいの小さな声。

でもその声は、あたしの心を砕くのには十分だった。



晴の腕を掴んでた手の力が抜けて、その腕があたしの手から抜け落ちた。




──晴とあたしの絆がプツンと切れてしまった瞬間。




何も言えないあたしを置いて、晴はそのまま前を向きなおして歩いていく。



あたしを振り返ることもなくて。



ただ呆然とその場に立ち尽くすあたしは、晴の背中が見えなくなってもその場から動けずにいた。

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