【完】ヒミツの恋を君と。
「晴…」




ここで寝ていた、晴の寝顔を思い出す。


寝顔を盗み見してたのがバレて、『見んな!』って照れた様に笑った時の晴の顔を思い出して、気が付けば、ソファーにそっと手を伸ばしてた。


でも、途中で引っ込める手。


それに触れることすら、あたしには許されない様な気がして、触れることが出来なかった。




晴のベッドに背を向けて、奥の部屋に駆け込んだ。

バッグを乱暴に投げ捨てて、自分のベッドにうつぶせに倒れこんだ。



どうしよう…どうしたらいいの?



今更そんなこと何度考えたって、晴の処分がなくなるわけじゃない。



あんなことを仕出かしたのに、あたしはまだ晴と前みたいに一緒にいたいとか、許して欲しいとか図々しいことを考えてる。



謝っても謝りきれない。

きっと、もうずっと許してくれない。




『俺に関わるな』




何度もリピートする晴の言葉。



その度に、あたしの中の何かが壊れてく気がした。
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