【完】ヒミツの恋を君と。
「ごめんなさい、東京行くって言ってたのに、あたしが2人の邪魔をした…」


《……》


「謝らないといけないって思って、それに美月先輩も指定校狙ってるんだったら…」


《…ううん、あたしは指定校取れるほど成績良くないから》


「……」





美月先輩は一般ってこと?


なら、どうして…?

それを少し不思議に思って、黙り込んでいると、今度は美月先輩があたしに質問してきた。





《…この間あたしが晴くんと東京でやり直すって言ったこと、晴くんに言ってないんだね?》


「え?…あ、はい」


《どうして言わないの?》





美月先輩の質問の意図が分からない。

美月先輩こそどうしてそんなこと聞くの?


あたしが晴にそのことを聞けなかった理由はただひとつ。





「…晴に美月先輩のこと聞けるほど、あたしメンタル強くないです」


《……》





晴があたしに話そうとしたのだって避けてしまってたくらいなのに。


でも、覚悟しなきゃ。

覚悟を…。



一度深く息を吸い込んでから口を開いた。




「あの…美月先輩、晴を助けてあげて下さい」


《え?》


「晴はきっと、美月先輩との約束を守れなくなりそうで落ち込んでると思います…」


《……》


「でも、晴ならきっと東京のあの大学、一般でも受かると思う。成績優秀者の奨学金も、一般は枠が少ないらしいけど、絶対勝ち取ると思います」


《……》


「晴は、これと決めたことは必ずやり遂げるから…」



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