【完】ヒミツの恋を君と。
でもきっと、またあの人はそれを邪魔する。



晴のことを『ムカつく』と言った祐樹先輩。

その祐樹先輩は美月先輩を思ってる。



きっと、晴と美月先輩が一緒にいる様になると余計にその行動はエスカレートするかもしれない。




「だから、祐樹先輩には負けないで下さい。美月先輩が晴を守ってあげてください」




あたしには晴のこと守りきれなかった。




《…祐樹くん?》


「はい」


《もしかして今回の晴くんのこと、祐樹くんが絡んでるの》


「……」




美月先輩はあたしの沈黙を肯定と取ったようで、




《…なんでこうなったのかな?祐樹くんと晴くんはあんなに仲良かったのに…》




美月先輩は少し涙声になっていた。





《あたしは中学の時に、すでに仲良かった2人に出会ったんだけど。その時、祐樹くんが言ってたんだ。“俺の本当の友達は晴だけだ”って》


「え…」





美月先輩のその言葉は意外だった。





《祐樹くんの周りはいつも人で溢れてる。友達もいっぱいいる様に見える。でもその人達はいつも上辺だけ。そのことに祐樹くんは気付いてたの》


「……」





以前、晴が言ってた。

祐樹先輩はクラスのムードメーカー的存在だって。


だから、晴と違って友達はいっぱいいるんだと思ってた。




《出会った頃、晴くんと祐樹くんは、いつも一緒にいて本当に兄弟みたいだったのに…》




美月先輩の口から語られる過去の祐樹先輩──


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