【完】ヒミツの恋を君と。
ホッと息を吐いてると、祐樹先輩があたしの目の前になにかを差し出した。




「桃佳ちゃん、はいこれあげる」


「…これは?」


「今朝、俺の家のポストに届いてたからね」


「え?」




手渡されたそれは、あの日見た封筒と同じサイズの封筒。


もしかして!


あたしは急いで封筒を開けて中身を取り出した。



やっぱり…。

中身は、モカの写真に報告書。

学校に送られるはずだったもの。



でも、封筒の宛名は祐樹先輩の家?

なんで?確かに学校の住所が記入されてたのに。




「びっくりした?桃佳ちゃん、あの日暗くて気付いてなかったかもしれないけど、ポストの上には封筒を2通重ねて置いてあったんだよね」


「え?」


「一通は学校宛。もう一通は俺の家の住所を書いておいた」



「なんで……あっ!?」




顔色を変えたあたしを見て祐樹先輩は「やっと気付いた?」って言って可笑しそうに笑う。



< 440 / 499 >

この作品をシェア

pagetop