【完】ヒミツの恋を君と。
美月先輩が原因って考えたって少し腑に落ちない。


だって、美月先輩とこの間まで付きあってたのは祐樹先輩だし、晴からあんな方法で奪ったんだから、祐樹先輩がここまで怒りを持続させる理由が分からない。



それに、晴と美月先輩が付き合った期間って1年にも満たなくて、祐樹先輩と美月先輩が付き合ってたのって2年半だよね?


よく考えたら、どの理由も腑に落ちない。

なぜ祐樹先輩がここまで晴に怒りをぶつけるのかが分からない。





「晴にきちんと謝って、『大切な友達だ』って言ってあげて下さい」





あたしの言葉に、祐樹先輩の目が険しさを増す。





「…るせーんだよ。晴のことは嫌いだって言ってんだろ?」





祐樹先輩の大きな声に、思わず一歩後退して足に激痛が走った。





「っ!?」




祐樹先輩から感じる空気は冷ややかで、ズキズキ痛む足と共に体が震える。



怖いけど…でも、あたしは晴を守るって決めた。


いつでも、あたしを守ってくれた晴を、今度こそ守りたい。





晴のことが好きだから──







< 446 / 499 >

この作品をシェア

pagetop