【完】ヒミツの恋を君と。
でも、わかって欲しい。


晴はもっと苦しんでるよ?

唯一の友達の祐樹先輩に殴られて、酷いことされて…。


きっと心はボロボロになってたと思う。



お願いだから、晴のこと友達だって認めてよ!

そして、晴に今までのこと謝って欲しい。




そうすればきっと晴の未来は輝きを取り戻すはずだから。





「なんなの?お前?俺を呼び出したのは、“あの封筒を送ったのは自分じゃない”って、晴の誤解を解いて欲しかったからじゃねぇの?」


「…それはもういいです」





犯人はあたしのままの方がいいのかもしれない。

それで、すべてが上手くいくなら…。





「あたしはただ、祐樹先輩と晴との間のわだかまりは解いて欲しいだけです…だって…」





あたしの記憶は晴の中から消してもらってもいい。

それで、晴が幸せになれるなら、笑顔になれるなら──




「…晴は祐樹先輩のこと今でも大切な友人だって思っています」





あたしの言葉を聞いて、祐樹先輩は一瞬目を見開いた。


祐樹先輩のそんな顔初めて見る。

いつもは完璧なまでにその表情を作ってるのに。



この表情はきっと素の祐樹先輩。



目を見開いた後、祐樹先輩は思いっきりその表情を歪める。





「ふざけたこと言うな!」





祐樹先輩の声は焦って取り乱した様に早口で。


その迫力で一歩詰め寄られて、思わずあたしも後退するけど…。





「……っ!?」





足首に強い痛みを感じて顔を歪めた。


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