【完】ヒミツの恋を君と。
でも、それは信じられない言葉で。



思考停止したあたし。


ふと視線を泳がしたあたしの目に、祐樹先輩と美月先輩の姿が目に入った。



あ、美月先輩……



切ない目で美月先輩がこっちを見てる。

あたしは、ハッと我に返って、晴の背中に回してた手を離した。



それに気づいた晴が、あたしから体を離す。



やっぱりさっきの晴の言葉は聞き間違いだった。



晴と美月先輩はやり直そうと決めた2人なのに…。


晴に抱きついてたことに罪悪感が沸いてきて、美月先輩から目を逸らせた。



そんなあたしに美月先輩が話しかけてくる。





「ごめんなさい」


「…え?」


「晴くんには全部話して謝ったけど、吉丘さんにも謝らなきゃと思って…」





美月先輩があたしに謝る?

晴には謝った?



首を傾げて晴を見ると、晴が呆れたような顔で「バーカ」と言った。


え!?バカ?



何がなんだか分からないまま、美月先輩に視線を戻すと、美月先輩は申し訳なさげに眉を下げてた。


< 458 / 499 >

この作品をシェア

pagetop