【完】ヒミツの恋を君と。
あたしの聞き間違いかそうじゃないのかを知りたくて、晴をチラッと見る。



その視線に気付いた晴は、あたしの頭に手を置いて髪の毛をくしゃっと撫でた。




その大きな手の感触に心臓が跳ね上がる。

その手は、どういう意味?





「あたしもう一度、祐樹くんと晴くんと1から友達をやり直したい」





美月先輩の澄んだ声が聞こえて。

ハッと我に返った。



晴も祐樹先輩も美月先輩の方を見てる。




「祐樹くんの複雑な感情にあたしなんとなく気付いてた。でも、それを聞き出そうとすると祐樹くん機嫌が悪くなるから、そのままやり過ごしてきたけど、それは間違いだった」




美月先輩が祐樹先輩を真っ直ぐ見つめると、祐樹先輩はバツが悪そうに目線を逸らせた。



それでも、美月先輩は祐樹先輩を見つめて話しかける。





「いっぱい話しをしよう。分かり合えるまで、話しをしよう。前みたいに戻るのにどれだけ掛かるか分からないけど、あたしはそれでも、もう一度あの時みたいに笑い合いたいの」


「……」


「晴くんともいっぱい話をしよう。きっと分かり合えるから…」


「……」





同意を求めるように美月先輩が晴を見る。

晴は美月先輩に一度頷いてから、祐樹先輩を見た。





「祐樹には話したいことも、聞きたいこともいっぱいある」


「……」


「俺の存在を、祐樹はもう許してくれないのかと思ってた。それなら、離れた方がいいって思ってたんだ」





晴の言葉に反応するように祐樹先輩が顔を上げた。



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