【完】ヒミツの恋を君と。
唇を離して、寝転んでる晴の顔を覗き込むように見つめた。

少し驚いたような顔をした晴は、すぐあたしから目線を逸らして顔を腕で隠すような仕草をする。



「え」



その驚いたような顔は夏祭りの夜、電気がついた瞬間見せた表情と一緒。


あの時は、美月先輩の身代わりだったんじゃないかって悲しかったけど…




「情けねぇほど俺、お前のその表情に弱いわ…」


「へ…」


「もう、このままお前連れて帰りたくなる」




晴の耳が赤い。


傍若無人な晴が、あたしのことで心を乱してる。


いつも心を乱すのはあたしばかりだって思ってきたあたしにとって、このことは衝撃で、嬉しくて…。



これからもきっと晴はこんな幸せをあたしにいっぱいくれる。


そう思うと、胸が熱くなっていく。


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