【完】ヒミツの恋を君と。
えぇっ!?いつからいたの?

全然視界に入ってこなかったんだけど???



こ、この人、影が薄い……。




「……」




その影の薄い河野って人が、熱血センセの発言に、思いっきり嫌そうに眉を寄せている。




「い、いえ…いえいえ!ひ、ひとりで大丈夫です!」




そ、そんなにはっきり気持ちを表現しなくても。

こんなに明らかな拒絶の表情を見せ付けられると、結構傷つくんだけど……。



先生達はあたしの方を見てるから、彼の表情には気付いていない。




「遠慮すんな転校生!河野、頼んだぞ」


「……」


「そうしてもらいなさい吉丘さん。この学校、結構複雑で迷子になりやすいから」


「えっ……で、でもっ!」





イヤです!

怖いです!



先生達の話を聞きながらも、チラチラ彼の方を見るけど。

あたしには目も合わせず、他人事のようにあさっての方向に視線を飛ばしたまま。



あ、目が合った!

えぇぇっ?睨んでる??




今度は思わずあたしが視線を逸らす。

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