【完】ヒミツの恋を君と。
「桃佳ちゃんは俺が探してたバイトにイメージがぴったりなんだよ」




店長が言うイメージとは、“身長165cmまでで痩せ型、中性的な顔立ち、おどおどビクビク初々しい感じで、恋愛慣れしてない赤面症のウブで可愛い、草食系男子”らしい。




「えぇっ!?」


「だから桃佳ちゃん明日から来てくれないかな?」





店長のとんでもない発言に、あたしの脳はフリーズ。





「ちょっと待てよ!バイトは男を探してたんじゃなかったのかよ?」





晴が焦ったように声を出した。




「もちろん!だってここ“イケメンカフェ”だもん!あ、イケメンのメンはmenのほうね」




…てか、ここイケメンカフェだったんだ。

さっき見た、店内の様子を思い出す。




どおりで…お客さんが女性ばっかだったもんね。






「答えになってねぇよ店長!だからここで、女のこいつがバイト出来るんだよ?」






あたしのことなのに、何故か不機嫌にそう言う晴に、あたしもうんうん首がちぎれるほどに頷いた。



あたし、こう見えても女ですから!


今までの人生『オタク女』とヒソヒソ言われても、さすがに男に間違えられたことはなかったですから!


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