【完】ヒミツの恋を君と。
み、みんなあたしのこと変なヤツだって思ってるんだろうな。



イケメン恐怖症のあたしは、イケメンズのその視線から逃れる様に、晴の後ろで小さくなっていた。


普通に入店しそこなったあたしは、前回の“無銭飲食”に続き、今回は“不振人物”として、そのまま、奥に連れて行かれるんだと思ってたんだけど、





「はい、どうぞ」


「へ」





晴は店の一番奥のテーブルに案内してくれた。

晴が引いてくれたイスの前に立つと、今度はあたしが座るタイミングに合わせて少しイスを押し戻してくれる。


こ、これはちょっと嬉しい…かも。

お嬢様にでもなった気分。



晴ってば実は女子にこういう気遣いも出来ちゃうの?


涼しい顔でクリームパンをあたしの口にねじ込んだりしちゃう普段の晴からは、想像も出来ない。






そっか、バイトだからかな?




でも、こういう女の子扱いをされるのに慣れていないあたしは、少しドキドキしてしまった。




みんなこういうのが嬉しくて、イケメンカフェとかにくるのかもしれない。


あたしが二次元の男子の紳士的な姿に悶絶するのと一緒……かな?



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