【完】ヒミツの恋を君と。
「オムライスは、デミグラスソースと、クリームソースと、チーズソースをかけたのがあるけどどれがいい?」


「えぇっと、晴は全部食べたことあるの?」


「俺は、オムライスだけじゃなくて全メニュー食ったことあるよ」




自慢げにそういう晴。

普段はあまり見せないその表情が見れて、あたしは思わずフッと笑ってしまった。




「……なに?」


「もしかして晴がここでバイトしてるのって、店長の料理に惚れたから?」




あ、目線を逸らせた。

図星だったみたい。




「……それだけじゃねぇよ。時給もいいからだよ」




…てか、なんか言い訳じみたこと言ってるし、照れてるの?


そう思うと余計に笑ってしまう。





「ううん、ごめん、ごめん。じゃぁ、晴はどのソースがおススメなの?」


「俺はどれでも好きだけど、お前は、クリームソースが好きそう」






そう言いながら、晴がその長い指でメニューを指差す。

あたしがそれを好きそう。とか、どうしてそんな風に思うんだろ?






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