【完】ヒミツの恋を君と。
ま…あたしが偉そうなこと言える立場じゃないんだけどね。

少し前の自分を思い出して、「フッ」と自虐的な笑いが漏れてしまった。




「……お前さ、何1人で笑ってんの?」




冷めたその声にハッと我に返り、顔を上げると、この上ない呆れた表情をあたしに向けてる“首から下イケメン”くんと目が合った。




「こっちはさっきから待ってるのに、ボーっとなにか考えてるかと思えば、1人でヘラヘラ笑い出すし。気持ち悪いんだけど?」


「き、気持ち悪い!?」


「それより、どこから回るか決めたのかよ?」


「…えっ?案内してくれるの?」




最終的に、「1人で行けば?」って言われると覚悟してたのに…。

目を見開いたあたしを見て、またひとつ溜息を吐いた彼。


でも、今回の溜息は嫌な感じじゃなくて、「仕方ないな」って感情が含まれてるように感じた。




「先生に“1人で行ける”って言わなかったのは不安だったからだろ?」


「え?」




予想外に優しい言葉が飛び出してきてびっくり!


もしかして、あたしのこと心配してくれてるの?


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