【完】ヒミツの恋を君と。
怒ってる!怒ってるよ!



やっぱりあたしと一緒のバイトは嫌なのかな?

そう思ってしまうと、急に晴の顔が見れなくなって俯いた。





「店長にあんなことされても、文句のひとつも言えないほど、イケメンが怖いんだろ?それに、学校にもバレたらまずいしさ……やりたくないなら、やりたくないってはっきり言わねぇと……」





あぁそっか、晴は怒ってるんじゃなくて、心配してくれてるんだ。

視線をゆっくり上げていく。





「ううん、どっちかと言うとやってみたいと思ってる」


「…は?」


「晴と一緒だからか、バイトが心配とか不安とかそういう気持ちってあんまりなかったし、逆に一緒なら楽しそうだなって思ってたし」


「……」


「でも、あんまり晴につきまとうと、晴に嫌がられるかな?と思って……嫌われたくないし…だから断ろうかと思ったの」


「……」





あたしの言葉を聞いた途端、晴が無口になった。


そのままあたしに背を向けて、無言のまま裏、休憩室件更衣室の方に行こうとする。





「…え?晴?怒った?やっぱり迷惑?」





イスから立ち上がってそう言えば、





「…勝手にすれば?」





「着替えてくる」そう言い残して、晴は裏へ行ってしまった。




機嫌悪かった…。

晴を怒らせちゃった…。




しゅんと肩を落とすあたしに、店長達の話し声が耳に届く。





「わぁ~なんかあんなに熱いハルは初めて見たって感じだよね!」


「だろ?これからはツンなハルだけじゃなくて、モカにデレる晴も見れるようになるぞ」


「楽しみですね…」


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