【完】ヒミツの恋を君と。
自覚するようになっても、そういわれ慣れても、




『変わってる』




そう言って、人から線引きされるのは、結構、つらいんだ。





春と春ちゃんだけはあたしのことを線引きしなかった。




毎日、思ってる。

春と春ちゃんは、元気にしてるかな?
2人で仲良く笑ってるかな?




そんなの答えはわかってるのに…。

勇気を出して、もう一度2人に向き合えない自分があたしは嫌い。





裏校舎の階段を何段も駆け上がり、屋上へと続く重い扉の前に立った。


いつもの様にコンコンとノックして、声をかける





「晴!いる?」





扉が開く。





「おはよ」


「…はよ」




いつもの様に、眠そうな、不機嫌な、ボサボサ頭の黒縁眼鏡の顔が覗いて、ホッと息を吐き出せた自分を感じた。

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