【完】ヒミツの恋を君と。
あたしの言葉を聞いた晴が、驚いた様な顔をした後、目を細めた。





ドキ…


そんな優しい空気をまとうその表情に、あたしの中の奥の奥で何かが小さく反応した。





優しい春の風があたし達の間を通り抜けていく。




その目からまた目が離せなくなってしまう──





向かい合って、地面にぺたっと座ってるあたし達。

ジッとその顔を見つめたままでいると、晴は握った左手をあたしの足の隣に置いた。




え?




そのまま、その手に重心を掛けて、あたしの方にグッと身を乗り出してくる。


一気に縮むあたし達の距離。


そして晴の右手は、あたしのアゴを掴んだ。





ピクッと反応するあたしの体。





さっきよりも近くなった晴の視線。

あたしに触れる晴の指。



まただ…




その何もかもに、心臓が口から飛び出しそうなぐらいに騒ぎ出す。


< 92 / 499 >

この作品をシェア

pagetop